不老不死?! Jouvence de l'Abbé Soury
JUGEMテーマ:フィトテラピー
こんにちは。いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今回はフランスのテレビ放送 FRANCE 2 で2月8日に放送された番組をご紹介致します。
テーマは Eternelle Jeunesse (永遠の若さ、不老不死)
その中で紹介された「Jouvence de l'Abbé Soury」という名の薬について
Herboristerie du Palais Royalでも撮影されました。ミッシェルピエール氏も登場しますよ。
Jouvence とは若返り、不老不死の と言う意味。
Abbé とは修道院長の肩書きです。
「Jouvence de l'Abbé Soury」はなんと250年前から販売されている医薬品。
おばあちゃんが飲んでいる。というイメージのものだそうで、各家庭で親世代から子世代へと引き継がれているとのこと。
添付文書を見てみると
植物原料医薬品で効能効果は 「足のむくみ(重さ・だるさなど)の軽減」
静脈強壮・血行促進効果のある医薬品です。
冒頭ではレポーターのバティストさんが彼のおばあちゃんのユゲットさんにインタビューしています。
とっても綺麗な方ですね!84歳だそうで。ハキハキされていて素敵です。
女性に年齢を聞いてはダメよ!でも孫のあなたには教えてあげる とかいうやりとりがまたいい。
ユゲットさん:「Jouvence de l'Abbé Soury」は特に女性が飲んでいるの。
これを飲んでいて脚は軽いしよく歩けるし、元気よ。
なんとこれ、年間200万本近く売れているのだそうです。
1732年、ノルマンディー地方に生まれたGilbert Soury (ジルベール スーリー)氏
が考案したものが元になっています。
生家の近くの修道院では薬用植物を栽培し、人々の治療をしていました。そして修道院長が植物についての教育もしていました。
植物による治療の教育を受けたSoury氏は、のちに新しい修道院を任され、信者たちをの治療を無償で行なっていたそうです。
そこで Tisane des deux Abbés という名のティザンヌが作られました。
これが現在の Jouvence de l'Abbé Soury として知られているものの原型です。
その効果の評判はノルマンディー地方に限らず広く知れ渡ります。
そして時代は流れ
フランス革命の後の1793年、Abbé Souryは新しい憲法に同意することを拒否し囚われの身となります。
獄中にまでも、彼の評判を聞きつけた有力な議員が治療を求めて訪ねてきていたそうです。
そのおかげで牢獄を出ることになりますが、その後は弾圧を避けてひっそりと治療を続けました。
1810年に死没。もはや無名となっていましたがその後もティザンヌのレシピは残されていました。
「Tisane des deux Abbés」
そのティザンヌの構成についてパレロワイヤルのエルボリストリにてミッシェルピエール氏が解説しています。
・Hamamélis ハマメリス
・Anis vert アニス
・Acore calamus ショウブ
・Condulango コンズランゴ
・Viburnum (日本名はガマズミだとか)
・Cannelle シナモン
中に入っているものに特別なものではなく、
本当にこれで若返り、不老不死が叶うのでしょうか?というレポーターからの問いかけに対して
そんなものはないですよ~ とミッシェルピエール氏。
最後にレポーターが訪れている薬局では
どうしてこれが現在のように定着したのか明かされます。
19世紀、ルーアンの 薬剤師のMagloire Dumontier(マグロワ デュモンティエ)氏が そのティザンヌのレシピを発見。
彼はこのレシピを再現し、商品化することにしました。
しかし、初めのうちは全く興味を持たれませんでした。
そこで、Dumontier氏は商品名を一新。 "Jouvenceー若返り" をキャッチコピーとして大々的に宣伝を始めました。
これが ”薬の広告” として初めてのものだそうです。
マーケティングが大成功し、通信販売も行っていました。
いつの時代も 若く、健康でありたいというのが人の願いですね。
つまりこれは後世に付けられた大げさなネーミングではありますが、
寿命の限り、最期の時までよりよく生きるために という精神、願いが込められています。
この薬が医薬品として販売されているもので最も古いものであり、世代を超えて今でもたくさんの人に必要とされているのは
間違いありません。
レポートの最後には プラセボ効果もあるのでは? とか アルコールが入っているからじゃない?
なんて言う流れになっていますが、植物の成分が体の機能をサポートしてくれることはまぎれもない事実。
”血流を良くする” というところも健康のために欠かせないことですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
みなさま良い一週間を。
KAORI