パリの薬草店で働く薬剤師のブログ

エルボリストリ薬草帖

大学でのエルボリストリ実習

JUGEMテーマ:フィトテラピー
 
こんにちは。
 
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。  
 
 
今週は大学でのエルボリストリ実習がありました。 白衣を着て、実習室で行う実習はすでに十数年ぶり! 薬局処方のティザンヌブレンドを作る際、組み合わせ方や配合率もある程度決められています。 今回はその規則に従った処方を2人1組で考え、調剤、薬袋を作成し、味見する。という流れでした。 こちらが用意されたハーブ達。全部で98種類ありました。 iPhoneImage.png 私たちが今回作ったティザンヌのブレンド内容はこちらです。
 
 
<消化のためのブレンド>
ローマンカモミール       6,75g
メリッサ                      3,75g
ペパーミント              5g
フェンネル       3,75g
カンゾウ                      3,75g
ヤグルマギク      2,5g
全量          25g
  
ローマンカモミールとヤグルマギクの色が綺麗なブレンドになりました。   クリックで拡大します 薬袋はペアの方に書いてもらいました。 その方(女性)はpreparatrice(プレパラトリス;調剤補助、薬局で調剤を専門に行う職)で、毎日たくさんハーブや精油の調剤を行っているとのこと。色々お話を聞くことができました。 5分ほどアンフュージョン(浸出)させた色はこんな感じです。味はカンゾウを入れたためほんのり甘いです。メリッサのレモンのような香りが前に出ています。 そして、精油の調剤もしました。 iPhoneImage.png 調剤には局方の精油を使用。ドロッパー(ピペット)も局方品。 一滴=25μLとして計算します。w/v%で調剤する場合もありますが、実際はほとんどv/v%です。 実習では用意されていた局方精油と局方植物油〔カユプテ、ユーカリグロブルス、ペパーミント、真正ラベンダーそしてスィートアーモンドオイル〕を用いて「慢性の関節痛に関する処方を10%で」 と決められていたため、配合量を計算して調剤。 残りの時間は実習室に展示されたたくさんの精油を嗅いだり、はちみつと混ぜて飲んでみたりと自由に探索。 その中で印象的だったのが Lentisque pistachier (Pistacia lentiscus) マスティックトゥリーという精油。 血行促進、鬱滞除去作用がありでむくみや静脈瘤に使用されます。 実際に使用したことがなかったため試しに開けて香りを嗅いでみると・・・ うっ・・・!!!     たじろいでしまう樹脂系の強い香り。 貴重な体験でした。 これは購入して使用してみようと思います。 では今回はこの辺で。 最後までお読みいただきありがとうございました。 KAORI