パリの薬草店で働く薬剤師のブログ

エルボリストリ薬草帖

Vinaigre des 4 voleurs


JUGEMテーマ:フィトテラピー




こんにちは。いつもブログをご覧いただきありがとうございます。







今回は  "vinaigre des 4 voleurs" というものをご紹介いたします。











vinaigre は お酢、 voleurは泥棒。





日本語に訳すと「4人の盗賊のビネガー」です。



なんでこういう名前が付いているのだろうと疑問に思っていましたので調べてみました。







発祥は南フランスのトゥールーズ。





1628年~1630年、ペストが大流行し多数の死者がでる最中、盗みを繰り返していた4人の盗賊達がいた。



逮捕され裁判にかけらるが、自身は感染せずに済んでいたことに疑問を抱いた裁判官が、刑を軽くすることと引き換えに問いただしたところ4人の盗賊たちが使用していたレシピが明らかにされた。





1748年薬局方に消毒剤として収載される。その後長きにわたって薬局で販売されていた。





参考:



https://fr.wikipedia.org/wiki/Vinaigre_des_quatre_voleurs



http://www.vinaigremalin.fr/connaissez-vous-le-miraculeux-vinaigre-des-4-voleurs/















ということで、とっても古い処方なんですね。







どういうものかというと、植物をシードルビネガーにつけて浸出(マセラシオン)させた、ハーブビネガーです。









もともとのレシピに入っていた植物の中でいくつか販売できなくなってしまったものがあります。



現在はそれ以外のもので作られ、アレンジされたりして各地いろいろなレシピがある様です。











現在Herboristerie du Palais Royalの処方で使われている植物はこちら。







Absinthe アブサン



calament カラミント



lavande ラベンダー



noix de muscade ナツメグ



ail ニンニク



clous de girofle クローブ



menthe poivrée ペパーミント



romarin ローズマリー



sauge セージ







殺菌力が強くて元気になりそうなブレンドですよね!



(外用として販売されているものは飲まないでくださいね。)







内用としては風邪、インフルエンザ、また疲労や頭痛などに、



外用としては傷口の消毒、かゆみ、虫刺され・・・・などなどさまざまな用途があります。













ところで、フランスの硬水で肌荒れや頭皮の痒み、フケがでる というお悩みをよく耳にします。









実はそんな方にVinaigre des 4 voleursがおすすめです。









硬水のミネラル分と石鹸成分が反応して”石鹸カス”を作り出してしまい、それが頭皮や肌への刺激となり、かゆみや炎症を引き起こしてしまう原因となります。





ビネガー自体が硬水のアルカリを中和するので、石鹸カスの発生を抑えてくれます。





そしてさらに植物から抽出された精油やさまざまな有効成分がかゆみや炎症を和らげてくれるのです。





石鹸カスのせいでキューティクルが開いて髪がバサバサになったりしますが、これでリンスすることでキューティクルが閉じて髪の手触りもよくなります。





入浴の際のお風呂の水を軟水化するのにも使えます。









さらにフランスらしい??といえば ”POUX” = シラミ 対策にもつかわれています。





シラミと卵の駆除の際に薬剤は避けたいという方におすすめです。



















それでは今回はこの辺で、最後までお読みいただきありがとうございます。